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2016年7月10日日曜日

Memory in hessonite orange

A luscious deep sunset-orange hessonite garnet is prong-set and framed 
all around by crisp antique single-cut diamonds in this one of a kind, 
breathtaking vintage cocktail ring. 

Hand fabricated in 18K white gold and dating back to the mid-century.


For further details, please feel free to email us:

salon.victorianbox@gmail.com









類い稀なクオリティを備えたカラーストーンは目に美しいだけではなく、
時に遠く埋もれていた香りや味覚の記憶を呼び覚ますことがあります。
このヘソナイトガーネットもその1つ。

私にとってのこの石の”記憶”は数年前に一度だけ口にした
25年もののシングルモルトスコッチ。

夕焼けの色を溶かし込んだような深いマホガニーオレンジの
光のさざめきに見入っていると、
光に透かしたグラスの中に浮かび上がる鮮やかな朱の閃光や
ふくよかで厚みのある味わいの中に立ち上る華やかなシェリー樽の芳香、
舌で転がした時に広がるほのかにフルーティーさを感じさせる
スパイシーな余韻まで、眠っていた記憶の輪郭が
ゆらゆらと形作られていくようです。


和名の石榴石の名から連想される少し黒みを帯びた深紅の色合いの他にも
青を除くほぼ全色のカラーパレットを持つガーネット族。

目の覚めるような鮮やかな若草色のデマントイドガーネット、
”マンダリンガーネット”のトレードネームで知られる
艶やかなオレンジ色のスペサルティンガーネットなど
綺羅星のような存在感を放つ他のガーネットファミリーの中にあって
ヘソナイトガーネットは褐色がかったオレンジという
その渋い色目のせいで日陰にかすみがちな存在。

ですが、このヘソナイトガーネットはそんな ”ヘソナイトガーネット=地味” の
固定概念を根底から覆すスペシャルなお石です。

4Cの条件さえ指定すればほぼ同様のアイデンティティの石を揃えられる
現代のダイヤモンドとは対局にあり、五官を揺り動かすほどの鮮烈な存在感を
放つカラーストーンとの出会いは本当にone and only。

スタッフNの敬愛するジュエリージャーナリストHさんが
惚れ込んでエンゲージリングに仕立てたのも実はヘソナイト。
このリングがサロンに来る遥か前にそのエピソードをオーナーから
聞かされたとき、正直 ”よりによって何でヘソナイト・・・” と密かに疑問を
抱いてしまったのはナイショですが、特品のヘソナイトの持つ底力を
このリングによって知らしめられた今は ”流石Hさん!” 
その日本人離れした慧眼にいつもながらただ脱帽の一言です。



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お問い合わせは下記メールアドレスまでお願い致します。


salon.victorianbox@gmail.com













2016年3月30日水曜日

Beyond 4Cs

数学者の視点からダイヤモンドの輝きを理論化し、現代のブリリアントカットの

基礎となるプロポーションを導きだしたマルセル・トルコウスキー。

そのマルセル氏の甥にあたり、現代最高峰のダイヤモンドカッターの

一人とされるガビ・トルコウスキー氏によってカットされた

ダイヤモンドを見る機会に恵まれました。

ガビ氏のダイヤモンドはヴィクトリアンボックスでも過去に

一度だけご紹介していますが、スタッフNは初めてのご対面になります。



作業工程がオートメーション化され自動研磨機によって

大量”生産”される現代のダイヤモンドとは一線を画し、

氏の工房では今も素朴な研磨盤(スカイフ)とドップを用い、

中世のカッター達と同じ工程を踏みながら

ひとつひとつ丁寧にハンドカットされているとのこと。

ダイヤモンドカッティングを作曲になぞらえ、原石との対話によって

その石を最も美しく見せるカットを導きだすガビ氏のフィロソフィー。

その姿は大理石との対話から掘り出すものの姿を探り当てた

ミケランジェロにも重なります。

正直に言って1ct以下の石では分かりづらいのですが、

真骨頂とも言える2ctを超える大粒になるとその良さが

ふわりと花開き、それぞれの石の貌がくっきりと見えてきます。


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パヴィリオンの部分のカット面数を増やした多面カットはガビ氏以外にも

様々なブランドから考案されていますが、基本的にある程度

場面がある大粒の石でこそ生きる、というのが私の個人的な感想です。

ダイヤモンドの美しさはカット面が織りなす光と陰のモザイクの

バランスによってもたらされるもの。

狭い場面の中でモザイク(カット面)が細かくなりすぎると

輝きのダイナミズムが失われ、露出オーバーの写真のように

石全体が白とびしてしまうような印象を受けます。

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(こちらの写真は公式サイトからお借りしています)

ガビ氏のカットの持ち味は柔らかく繊細な輝き。

あえて例えるなら和菓子の琥珀糖のような、ぱりんと割れてしまいそうな儚さを

内包しつつ、はんなりとした品の良さが内面からほわりとにじみ出てきます。

テーブル面の光のウィンドウ(抜け)が無く、そのため一度石の中に入った光が

閉じ込められ、その中で永久に反射し続けているような不思議な錯覚に捕われます。

 1つ1つ異なる原石の個性を慈しむ心をそのまま結晶化したような

どこかぬくもりのある美しさは趣は違えど、

アンティークダイヤモンドにも共通するものが。




Clarity(透明度)Color(色)Carat(大きさ)Cut(カット)

所謂4Cはダイヤモンドの主要要素を数値化した通信簿。

トレーディングツールとしては非常に優れていますが、

通信簿に映し出されるのがその人の一面でしかないように、

それだけに捕われてしまうとそれぞれの石の持つ美しさや個性を

見落としてしまう危険性をもはらんでいます。

そばかす(インクルージョン)を欠点と見るかどうかは人それぞれ。

美人ではないのに何処か惹き付ける所がある、、、と偏屈な隣人に

言わしめたアン・シャーリーのように、時にはそんな細かな特徴が

瑣末に思えてしまう位のくらいの魅力に捕われることもあります。

ヴィクトリアンボックスにいらしたら、一旦4Cは忘れて

まずご自分の心で美しさを”感じて”ください。

ガビ氏も言っているとおり、

“ Each diamond is another beauty “ (どのダイヤモンドも違って美しい)のですから!



締めくくりの3枚はヴィクトリアンボックスのコレクションから

アンティークダイヤモンドを。

何とも形容しがたい神秘的なハシバミ色の中に立ちのぼる光は

思わず”4Cが何か?”と言いたくなってしまう規格外の魅力に溢れています。





★こちらのハシバミ色のダイヤモンドリングはご売約です。ありがとうございました★



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2015年12月20日日曜日

Winter Rose


A luscious, round faceted, rose red garnet radiates within a rose-cut diamond halo
 twinkling like morning dews on a winter rose.  

Photos just do not  do justice to how rich and sweet the color of 
this extraordinary rhodelite garnet is….  
c.1900

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In morning light


The rose color blooms even more flamboyant in twilight.



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一目見た途端に息を呑んだ匂い立つような

ロードライトガーネットのリング。


凍てつく朝に凛と佇む一輪の冬の薔薇を思わせる

気高いローズカラーは赤い宝石の女王、ルビーを

凌駕するかのようなこくのあるスウィートな色。

自然のパレットの豊かさを物語ります。

周りを取り囲むローズカットダイヤモンドが

薔薇に降りた朝霜のように控えめな輝きを添えて。


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朝の光の下ではロードライトガーネット特有の

少し紫がかった色味がよりくっきりと

そして夕方の少し赤みがかった光の下では

艶やかなローズカラーがふわっと花開き、

香水が時とともにそのノートを変えるように

ふくよかな色の表情を垣間見せてくれます。



しばらくサロンに居てくれないかしら。。。。と

スタッフにあるまじき誘惑にかられてしまうほど

魅惑的な薔薇色のガーネット。

ホリデーシーズンに日本に立ち寄ったディーラーさんが

サロンに届けてくれた一足早いクリスマスプレゼントです。



ご売約です。ありがとうございました。





緑色がお好みの方には一番下の写真に一緒に

写っているカボションエメラルドのリング。

ぷるんとした露のようなカボションカットの中に

宿る翠が目にしみるこちらの子も

勿論クリスマスセール中!


 こちらのエメラルドリングもご売約です。
ありがとうございました。







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Instagram:@ferronniere






2015年10月18日日曜日

Old Imperial Jade

More than 40year's old imperial jades from dealer' old stock.

Rich, translucent  bright green called " Rokan" in Japanese, 

these two natural jadeites are reminiscent of 

those great jades I find in Christies or Sotheby's catalogs.



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知り合いの業者さんが40年余り前に仕入れ、

そのまま眠っていたオールドストックの翡翠。

とろりとした翠色が目に染み入るようです。

現代の翡翠は樹脂を含浸させて透明度を改善させたものも

多くありますが、この翡翠は年代的に見ておそらく

研磨後にワックスで軽く艶出ししただけの

ナチュラルのお石だと思われます。

(多孔質のジェイドに対するワックスの処理は

古くから普通に行われてきました)


最上の翡翠を意味するロウカンという言葉は中国の

古語で青竹の色を指しますが、エメラルドの緑色を

油絵の厚みのある芳醇なグリーンに例えるなら

翡翠の緑は潤いを帯びた岩絵の具の色、

湿り気のある東アジアの風土にすっと溶け込む色。


手のひらに遊ばせるとひんやりとした質感が

湖面をわたる薫風のようにざわついた

心の表面をすっとひとなでして

平らかにしてくれるようです。

勾玉を翡翠で作り、護符として持ち歩いた

古の人々の心持ちが分かるような気がします。



40年寝かせたとっておきの翠のかけら、

さて、、、どのように料理しましょうか?



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2015年9月30日水曜日

Bleu de Roi

 For September babies, here comes a sapphire post at last!!

1.12 carat "Royal Blue" No-heat sapphire accompanied with GRS cert stating that this stone is of Burma origin. 

For further details, please feel free to email us:

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艶やかなロイヤルブルーのビルマサファイア。

手のひらに遊ばせると紺碧のミッドナイトブルーの海の中に

カテドラルのステンドグラスを思わせる鮮やかな

青の光のモザイクがちらっ、ちらっと瞬き、じっと

覗き込んでいると独りカテドラルの中に佇んでいるように

すっと心が凪いでいくような感覚を覚えます。


色のトーンが濃いとべったりとした黒みの”インクブルー”に



転びがちなブルーサファイアにあって、

色の濃さ(Darkness)と鮮やかさ(Saturation)を同居させた

ごく一握りのサファイアにのみ与えられる

”ロイヤルブルー”の称号を帯びたルースは

小指の爪先ほどの面積のなかにも王者の青の名に

ふさわしい気品を湛えています。

Cardinal's Ring set with sapphire



サファイアの語源はヘブライ語のsafir(青)に由来し、

近代鉱物学が確立されるまでは青色の石は

すべてサファイアに分類されていました。

教会のドームに描かれた天空の色、聖母マリアの青衣に

代表されるように青は聖性の象徴、選ばれた者だけが

身につける事を許される神との契約を示す色でした。

枢機卿は教皇から下賜されたサファイアの指輪を嵌め、

フランスのブルボン朝の王は青地に百合を描いたマントをまとい、

Bleu de Roiと称してこの青を禁色としたのです。

青色の石は数あれど、サファイアのロイヤルブルーは特別な青。

その煌びやかな存在感で一目で心ときめかせる

ダイヤモンドとは異なり、歳月を重ねて

寄り添っていくうちに染み入り、心の奥底に沈殿していく色だと思います。

極上の”青”をぜひサロンで体感なさってください。


非加熱ビルマサファイア 1.12ct
”ロイヤルブルー”のコメントが記載されたGRSの鑑別書付


ご売約です。ありがとうございました。


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