2016年1月20日水曜日

Anne's Enamel Heart

 As an old book girl,  I have a particular weakness for jewels which appear in favorite nobels. 

This adorable enamel heart just reminds me of the very necklace Gilbert gave to
 Anne in their college days. 

The necklace appears in the episode from “ Anne of Ingleside”
 (The 6th series of Anne of Green Gables) some 20 years later since Anne actually 
received the gift from Gilbert.

I assume, though, that the one Gilbert chose was more moderate, humbler one 
considering his purse as a college student from a small village of Prince Edward Island. 




How fan it is imagine that he might have been choosing the present to his love, 
browsing through the jewellery catalog at that time...

The book on background is a jewellery catalog published  toward the end of 19th century,
when Gilbert was a student at Redmond College.


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salon.victorianbox@gmail.com


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物語のなかに登場する食べものはどうしてこうも魅惑的なのでしょうか。
『大きな森の小さな家』の雪原にメープルの樹液を垂らして固めたキャンディ、
『ハイジ』のおじいさんが作ってくれるチーズトースト・・・

幼い頃に魅了された空想の世界のご馳走は時に本筋のストーリー以上に
鮮やかに子ども心に焼き付けられ、今もふとした瞬間に記憶の澱から浮かびあがってきます。

残念ながら食べものほど登場回数は多くありませんが、物語の中のジュエリーもしかり。
ジュエリーの場合は食べ物のように情景描写というよりはストーリーを回す重要な鍵として
登場することが多く、ことさら深く記憶のアルバムに刻みつけられています。

このスウィートなエナメルのハートのネックレスを見てパッと思い浮かんだのは
赤毛のアンのシリーズの中で大学時代にギルバートがアンに贈ったネックレス。

アンのハートはピンク色のエナメルでしたが19世紀末のヴィクトリア時代後期
時代も一致、見た途端に“あ、アンのエナメルハート!!”と
思わずニンマリしてしまいました。

エナメルハートが物語の中で登場するのは実際にアンがプレゼントを受け取った
20年以上後。二人は40代半ばにさしかかり、新婚の頃はアツアツだった夫婦関係にも
少しずつすきま風が吹きはじめています。

そんな折、大学時代にギルバートと親しくしていた女性に20年ぶりに
再会する場面でアンが付けていたのがこのネックレス。

甘さの中にちょっとほろ苦い味が混じり、年輪を重ねた夫婦の心のひだを
描いたモンゴメリの筆が冴える印象的なエピソードです。
(詳しいストーリーが気になる方は『炉辺荘のアン』でどうぞ!)


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親指の第一関節の中に収まってしまうくらいの小ぶりのふっくらとしたハートには
細かなエナメル細工が施されています。

金の唐草模様の下地には彫り模様をほどこされた上にあかね色の透明釉がかけられ、
ハートがデコルテで揺れるたびに夕方の水面に立つさざ波のように
渋いきらめきを放ち、模様をくっきりと浮かび上がらせます。

赤いハートというといかにもなイメージですが、周囲を取り囲む
ホワイトの不透明釉が引き締め役になってぐっと洗練された印象に。

親元を離れ仕送りだけで大学生活を送っているギルバートがアンに贈った
ハートは懐事情を察するにこれ程凝った物ではなく、もっと慎ましやかな物
だったはず。。。女性にプレゼントなど贈り慣れていないであろう
生真面目な彼は一体どんな顔をしながら選んでいたのだろうか??
(アンは “結局赤毛にピンクは写らない”とバッサリ切っていますが 笑)

ハートのネックレスがずらりと並んだ19世紀末のジュエリーカタログを
繰りながらそんな想像をめぐらせるひとときも楽しい、
エナメルハートが誘う空想文学紀行です。




こちらのエナメルハートはご売約です。ありがとうございました。

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